科学を楽しむ木の遊び具・おもちゃ
ちゆう工房
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        おかしな浮き




ノブを回すと、液中の2つの「浮き」の一方が浮き、もう一方は沈みます。 ノブを戻すと、浮いてる「浮き」が沈み、沈んでいる「浮き」が浮きます。

なぜ?

どんなしくみで「浮き」は同時に一方が浮き、もう一方は沈むのだろう?     
         
しくみ

2つの耐熱ガラス管にサラダ油を満たしそれぞれの管内の液を交互に加圧と減圧ができるようになっています。
「浮き」の空気量を調節して、一方はギリギリ浮くように、もう一方はギリギリ沈むようにして、それぞれのガラス管に入れます。
それらの2つの耐熱ガラス管をさらにアクリル管に入れ、サラダ油で満たしてあります。
「浮き」が浮いているガラス管の液を加圧すると、「浮き」の空気の体積が減り、浮力が小さくなって、沈みます。この時、もう一方の沈んでいる「浮き」のガラス管の液は減圧され、空気の体積が増えて、 浮き上ります(アルキメデスの原理とパスカルの原理による浮沈子のしくみ)。
耐熱ガラス(パイレックス)とサラダ油の光の屈折率がほぼ1.47でガラス管はほとんど見えません。このため、ノブを回してそれぞれの管の液を加圧と減圧に切り替えると、2つの「浮き」は同じ液の中で互い違いに浮いたり、 沈んだりするように見えます(消えるガラス)。

参考
・消えるガラス棒
 P.Dohertyほか、広井ほか訳:「絵を映す魔法の杖 光と色」丸善 (1997)
・屈折率
 作品「くるりんくるりん」を参照してください。



     浮沈子

         

     消えるガラス


            

こぼれ話
食用油の熱膨張が大きく、気温によって油漏れや、「浮き」の浮力が変わってしまいます。
このため、たびたび調整し直さねばならず、食用油の体積変化を逃がすことや容器の工夫が必要と思っています。

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