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ちゆう工房
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                 簡易工作(1)

        扁平軸による「ガリガリとんぼ」



支持棒のビーズ玉を擦り棒で擦りると、大きいプロペラと小さいプロペラが互いに逆方向に回ります。
次いで、支持棒を少し回してビーズ玉の周の位置を変えて擦ると、それぞれのプロペラの回わる方向が変わります。
擦る周位置によって、プロペラは揺れるだけで回らなくなります。


なぜ?

どんなしくみでプロペラの回り方が変わるのだろう?  
工作

材料
 支持棒  :3mmφ 竹ひご
 凹凸部分 :ビーズ玉
 ストッパー:アイロンビーズ
 プロペラ :木製 大と小、穴径4mm
 擦り棒  :5mmφ 丸棒


作り方
①プロペラ軸を扁平加工します。下図のように支持棒の先端2ヶ所をそれぞれの扁平面がずれるように、扁平に削ります(加工済みのものを使うこともあります)。 

②プロペラに模様や色を付けます。

③下図のAのように、支持棒にビーズ玉7ケを通し、ストッパーで挟んで止めます。

④続いて、下図のBのように、支持棒のプロペラ軸に、ビーズ側から、ストッパー⇒プロペラ大⇒中間ストッパー⇒プロペラ小⇒先端ストッパーの順に通して止めます。

注意! 軸の扁平部分は薄く、折れやすいので、気をつけて扱いましょう。


材料

 


 扁平軸の加工               ビーズ玉、プロペラの組み入れ
     
しくみ

扁平軸による回転原理

扁平軸の振動方向と扁平面の傾きの角度が変わるためです。
擦り棒でビーズ玉を擦ると、扁平軸が振動して、プロペラの穴に触れ、力Fでプロペラを押します。このとき、振動方向と扁平軸の傾き(θ)によって、 プロペラは回転力(Fsinθ)と摩擦力(μFcosθ)を受け、傾きが正のときは反時計方向、負のときは時計方向に回ります。
傾きが小さいと回転力は小さくなり、傾きが大きいと摩擦力が小さくなるため、傾きが0゚と90゚近くでは回りません。

応用例については作品「がりがりーくるくる」を参照してください。


  扁平軸による回転原理            そろばん玉の利用

          
こぼれ話
木の支持棒に溝をつけるとき、小刀は危ないとかやすりでこすると微粉を吸うなど安全面で問題になることがあります。針金を粗く巻いて 溝の代わりにするやり方もありますが、ここでは竹ひごにビーズ玉を通して代用しました。そろばん玉でもよく振動します。
それにしても小刀やナイフが使えない、鉛筆も削れないことのほうが問題で、こうした工作でナイフの使い方をきちんと身に付けるといいと思うのですが。

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