ジャンボ クーゲルバーン
車輪状の円板が波状の坂や階段をゆっくり回転して降りていきます。 円板によって通るコースが変わります。 なぜ? どんなしくみで円板が変わるとコースが変わるのだろう? |
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しくみ 車輪状の円板は、軸を細くすることにより、回転にエネルギーが多く使われ、その分ゆっくりと降りていきます。 円板は大きくて重いもの、軽いもの、小さくて重いもの、軽いものがあり、その大きさや重さによって、コースが変わるようになっています。 分岐点には次のようなものがあります。 ・小さいと下に落ちてターンし、大きいと下板に触れて直進する。 ・重いとシーソーが下がって落ち、軽いと直進する。 ・交互スイッチで、1回ごとに直進と階段に切り替わる。 ・スタート位置が高いと表コースを通るが、低いと途中で戻り、裏側のコースを通る。 両端での折り返しは、 ・下段へ落ちる。 ・バックする形で方向変換する。 ・回って方向転換する。 ・振り子式に方向転換する。 があり、後2者では円板の見える面が変わるので、円板の表裏で色を変えています。 円板が降りるとき、しばしばスロープの片側に寄り、触れて止まってしまいます。これを防ぐため車軸に勾配をつけて、自動的に軌道修正するようにしています。 図のように円板が進行方向に向かって右に寄ると、右側の輪軸ではスロープと接する部分の径が左側より大きくなって速く進むため、曲がりが修正されて中央に戻ります。 これは鉄道車両で車輪に踏面勾配をつけ、カーブをスムースに通過できるようにする原理の応用です。ただ、勾配をあまり大きくすると左右に触れを繰り返す(蛇行動)ようになるので、適度な角度に調整します。 *クーゲルバーン 球の道の意で、球や車両がジグザグの坂道を転がり降りる木のおもちゃ。転がるものや道の形、さらに組み立て式にしたものなど、いろいろバリエーションがあります。 参考 蛇行動 ・藤本:蛇行動と曲線通過 RRR 2004-8 鉄道総研 (2004) ・ウィキペディア:蛇行動 |
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こぼれ話 普通のクーゲルバーンよりゆっくり、長く、変化に富んだ動きをするので、子供達は夢中になって、よく遊んでくれます。 展示では人気「遊び具」ですが、ゲームの影響でしょうか、何人かで次々と円板を転がして衝突させたりと、想定外の遊び方をするのでしばしば当惑します。 ただ、体験型ならではのこうしたことは、「遊び具」の改良とか次作へのヒントになることがあります。 また工作教室で自由にデザインしたり、工夫できる過程を入れておくと、思いもよらぬものが出てきて、子供達の発想に教えられることもよくあります。 |