科学を楽しむ木の遊び具・おもちゃ
ちゆう工房
        CHIYOU-WOODWORK
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                 うちの子どっち? 



中央の振り子に親のコアラを乗せて揺らすと、子供のコアラと森の仲間のインコが大きく揺れます。親ザルに換えて揺らすと子ザルとヤマガラが大きく揺れます。

なぜ?
どんなしくみで親を揺らすとその子供たちが揺れるのだろう?
                
しくみ

振り子の共振現象を利用しています。
それぞれの動物達を物理振り子(剛体振り子)とし、振り子の支点より上と下の重さを調整して所定の固有振動数にしています。
親コアラ、子コアラとインコの固有振動数を同じにし、親ザル、子ザルとヤマガラはその2倍の固有振動数にしています。
親用の振り子と子用の振り子の支点軸をバネで接続し、親側の揺れを子側にゆるく伝えています。また、親用の軸の回転を鳥側に伝えて、鳥の振り子の支点が揺れるようになっています。
これによって中央の振り子で親コアラを揺らすと、同じ固有振動数の子コアラとインコが大きく揺れ、親ザルを揺らすと子ザルとヤマガラが大きく揺れます。親が違う子供はわずかにしか揺れませんが、親を揺らす時に子供が揺れているとそれらの位相の関係で、子供が揺れてしまうので、揺れを止めてから親を揺らします。
 
こぼれ話
遊び具にとって「振り子」は興味ある題材です。連成振り子で共振する動きがおもしろく、この遊び具を作りました。
コンパクトでゆっくり揺らすために物理振り子(剛体振り子)にしていますが、錘の位置で振動数が複雑に変わってしまいます。また共振しないほうをあまり揺らさないように固有振動数や位相との関係、振り子の重さ(慣性モーメント)の兼ね合いなどをさらに検討したり、全体として揺れのパワーを大きく、長持ちさせるなど工夫の余地はまだありそうです。
地震計のしくみはいろいろ参考になると思っています。

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